日々のせいか

郊外のマンションで、ネコとカメと壊れたオジサン看ています。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夏のお嬢さん

エムの送迎車を見送ってエントランスに戻ると、インタフォンの前で何やら惑う素振りのご婦人をお見かけしました。わたしがエントランスの扉を開けてお招きすると、丁寧に御礼を述べられてから、こう続けられます。「もう数年ぶりに訪ねて来たのですけれど、…

間に合うかも知れません。

まだ考え続けています。テロリストと一緒じゃん、と手早く片付けたい向きもあるでしょう。けれど、この事件は違う。腐った種子は、中東の空から降ってきたわけじゃなく、日本の土壌から芽吹いた腐った種子なのだと思います。わたしがボヤッとしていたのかも…

腐った種子が

朝の凄惨なニュースに言葉も無く、起き抜けに服と一緒に選んだペンダントを小さなイコンのそれに替えました。信仰を持たないわたしでもそうしたように、日本のあちこちの家で神棚や仏壇に手を合わせたり、あるいはそっと目を伏せるだけでも心ある人はしたこ…

野生の世界

空模様を眺めながらベランダに出たら、足元の青ジソの鉢に、小さな小さなバッタを見つけました。爪切りで切った爪のような細い三日月型のバッタは、よく見ると5、6匹もいて、風で揺れる葉っぱにしがみついている様子は可愛いものです。実は、このシソは数日…

ツマのひと声

そもそも、わが家の朝はスリリング。毎朝、わたしはそっと自室のドアを開けて廊下に首を出し、何か異変はないかと気配を窺い、耳をすませ、鼻をクンクンさせます。過去この時点で発覚したエムの惨事・椿事は数知れず。まあ月に一度かな、場数を踏んでいても…

ささやかな矜持

歳月の海の底から不意に面影が浮かび上がる。そんな経験はありませんか。十数年ぶりに、以前の職場の上司からお電話をいただきました。驚いたのは、声を聞いた瞬間です。聴覚の記憶って凄いですね。メールではおぼろげだったその方の姿、笑い方、仕草、銀座…

拝啓 舛添要一さま

その後いかがお過ごしでしたか。政治学者の書斎の窓からは、閑静な湯河原の緑、なら良いのですが、都内のご自宅でしたら選挙カーの騒音が響いてウザいのではないでしょうか。都知事選は有力3候補の激戦となりましたが、前知事舛に応援のオファーはございまし…

とりどりガールズ

若い、それも10代真ん中へんの女の子が4人、夕方ドヤドヤやって来ました。さてと!タンクトップに短パンで出迎えたわたしは、4人を並べると順番に浴衣を着せかけます。ピンクの金魚、黄色の向日葵、ブルーの紫陽花、オレンジの蜻蛉・・・浴衣はやっぱり、藍…

ピアニッシモ

夕方の同じ時間、デイサービスの送迎車を待って道端に立っていると、何人かの同じ顔を見るようになり、自然と会釈するようになります。その一人に、10才くらいの女の子がいました。大きな瞳におかっぱが似合うその子は、2年くらい前から、大好きなピアノ教室…

エールの一皿

朝から小山のようなタマネギを刻み、大きな寸胴鍋相手にひたすらカレー作りです。元々料理好きですし、カレーの鍋を回していると、昔大勢の子どもを連れていったキャンプの思い出がよみがえります。キャンプのカレーは、豚コマが定番でしたけど、今つくって…

ミラクル

欲しくもないギフトをもらってまもなく9年。今も物心両面を困難が襲います。でも、辛いことが1000個くらいあると25個くらい良いことがあって、しかも日常にはめったに見られない無いミラクルが混じっていたりするのです。そういうときに、わたしは天の配剤っ…

ギフト

参院選の結果は与党過半数を超え、憲法改正が射程範囲となりました。日本はどうなっちゃうのだろうと思いますが、日々生活するのに必死なわたしに悲観する暇もなく、何が来ても受けてやるぜ、みたいな気持ちです。夫の不慮の事故以来、わたしは運命にひるむ…

いつも笑顔で迎えるために

「認知症の夫の心に寄り添って歩む」と題された講演を聴きました。話し手の女性は70代の主婦。同年代の夫がレビー小体型認知症を患ってから4年半に及ぶ介護の日々を、ときおり笑みもこぼれる穏やかな口調で語っています。当初は日常の些細な物忘れだったは…

花のとき

スーパーの駐輪場で、スーツ姿の女性が「シュート、シュート!」と連呼しています。もちろんサッカーであるわけもなく、わたしはその声を背中で聞きながら店内をかなり進んで行くと、小さな男の子がポツンと立っていました。まさに迷い子のビンゴ‼︎「シュー…

一喜一憂

どうしてフォントばらばらなんでしょ?初めてのブログに張り切ってアップしたのに、今ちょっと凹んでいます。少しずつ学習していきますので、その成果をたまに見に来てくださったら嬉しいです。あ、それと写真のカメは、うちのコじゃなくて伊豆のゾウガメ君…

変てこ家族計画

夫であるエム氏を自宅で看ると決めたときのことです。在宅介護の準備に奔走するケアマネさんを尻目に、わたしは、猫を飼う準備を着々と進めていました。これから自分が背負うものの重さを、なんとか和らげたかったのかもしれません。こうして2008年冬、千葉…

星に願いを

七夕です。最近ご贔屓のちょいお高いスーパーに笹が設置してあったので、わたしも願い事を書きました。『ブイ君の日々が穏やかでありますように』福島の被災猫、ブイを飼い始めてから丸3年がたちました。我が家に来たときには心を閉ざし、壁と家具の隙間でほ…